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2024年10月1日

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著者名 書名 出版社 出版年
柳川浩三 『Rによる教育・言語・心理系のためのデータサイエンス入門』 オーム社 2023

【梗概】
 自分の立てた問いに自分でデータを集めて答えを見つけ出すのは楽しいものです。しかし、その過程で通らなければならない統計分析は、多くの文系学生や研究者にとっては厄介なものではなかったでしょうか。私にとってもそうでした。実際、さまざまな統計に関する本を読めば読むほど無力感を強くしてきました。
 本書は文系著者による文系読者のための本です。したがって、数式をほとんど使わずにスキル(実践)と理論をツナグことに注力しました。具体的には、以下の2 点を工夫しました。第1に、各章ごとに設定した研究課題を達成する手順を図解しました。これによって、読者は分析を始める前に最後までの道のりを俯瞰し、自分の現在地を把握し、安心して分析を続けられます。第2に、理論的説明は詳しすぎず、薄すぎず、ちょうどいい塩梅(あんばい)を狙いました。読者が本書の研究課題と自分のそれとを照らし合わせることで、自分のデータの分析方法を選択し、解を見つけられようになることを最優先したからです。本書を通読することで、今まで見たことのなかった景色が見えるようになることだけはお約束します。とりわけ、本書は英文学・英語学研究の分野で伝統的に用いられてきた記述的な分析法からの脱却を試み、統計的に吟味することで結論と考察に説得力を持たせることを狙っています。研究の幅を広げてくれる多様な分析技法をどうぞお楽しみください。
 R がややとっつきにくいのは事実です。しかし、自分でコマンドを打ち、アウトプットを読み取るプロセスは、自分の足で自分の道を歩いている実感に満ちています。この本を手に取った皆さんが、自分の研究道具の一つとして統計知識とRスキルとを携え、昨日の自分よりもまた一つ成長したと思ってもらえたらうれしく思います。

【目次】
第一部
Chapter 0 R はじめの一歩 ―これだけで使えるR―
Chapter 1 グラフを描き、記述統計量を出す
Chapter 2 統計分析はじめの一歩
Chapter 3 同じ人の異なるテストの平均点を比較する
Chapter 4 異なる人のテストの平均点を比較する―音楽的能力は音楽経験の有無で異なるか―
Chapter 5 サンプルの小さい外れ値のある二条件(群)を比較する
Chapter 5 発展 三条件(群)以上の対応のない順序データを比較する ―サッカー選手はポジションによって性格が異なるか―
Chapter 6 二つの変数の関係性を数値化する

第2部
Chapter 7 2 ×2のクロス集計表を分析する
Chapter 8 名義変数の関係性を数量化し理論化を試みる
Chapter 8 発展 名義変数間の関係性を2次元で表現する
Chapter 9 テキストマイニング

第3部
Chapter10 同じ人の三つ以上の平均を比べる
Chapter11 二つの要因の絡みを浮き彫りにする ―TOEIC リスニングのスコアはどうすれば上がるのか―
Chapter12 複数の変数で一つの変数を説明する
Chapter12 発展 説明変数から二値データを予測する―オンライン授業の印象を分ける要因は何か―
Chapter13 共通する因子を見つける―自分の心配や悩みを相手が受け止めてくれたと感じる言葉とは―
Chapter14 人をグループに分ける

類題解説・解答
参考図書
索引

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