編集・発行所 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂1-2 研究社英語センタービル
(Email: 電話 / FAX: 03-5261-1922)
日本英文学会 代表者 大橋洋一
すでにこのニューズレターでも会員の皆様にお知らせしてきましたが、来年2009年4月から日本英文学会は財団法人法の改正に伴い、これまでの公益法人から一般財団法人へと変わることになり、その準備を進めてまいりました。そのなかで大きな変化は、一般財団法人化に伴い日本英文学会を支部組織に変えることでした。支部選出の評議員が、理事と監事を選出し、会長も理事会で選ばれるという組織になります。
会員の皆様にとって、この変化が、どう影響するかといいますと、基本的に何も変わりません。これまでどおり学会誌、大会プロシーディング、ニューズレターは配布され、年一回の全国大会は従来どおり開催。学会誌に投稿し、全国大会で研究発表する権利は確保されます(もちろん厳正な審査はあります)。また支部に加入すれば支部活動の恩恵に浴することになります。組織変革によって、会員の皆様の活動は、これまでと同じか、さらに多くの機会に恵まれるのです。
学会活動に変化はありません。できれば学会活動のあり方を高度化し多様化する提案がこの場でできればいいのですが、今は会員の方々の活動には直接関係のない組織論を書かせていただきます。とはいえ筆禍事件を起こして日本シェイクスピア協会を辞めた前科のある私が書くことですから、今回も筆禍事件覚悟です。
組織改革案は前理事会での決定です。前理事会の方々を私は尊敬していますし、私よりもはるかに学会の内外の事情に詳しく洞察のある方々ばかりなので、その決定には全幅の信頼を寄せていました。不備はあるにせよ、些細なものであり、5年間の移行期間に不備は是正され問題点も解決されると考えていました。
支部組織にするというのは、1)なんらかの内的理由があった、あるいは2)新しい法律によって強制されたかのいずれかであり、1)なら当然のこと、2)の場合、やむをえないと考えていました。しかし文科省は支部体制を要求していません。内的理由はあったと支部体制推進派はいうでしょうが、支部体制に反対意見があったことは今ではわかっています。
たとえトップダウン方式であれ、ベストの案として決定したのなら、それでもかまわないと考えます。すでに述べたように個々の会員の活動に影響は出ないのですから。ただ、それにしても、もっとしっかりした案を作って欲しかった。
これまでいくつかの支部が任意団体として英文学会内に存在し、特色ある活動をし、地域の学術活動に大きく貢献してきたのは確かであり、そうした伝統ある支部に加えて新支部を創設して、学会の基盤組織とし、また支部から評議員を選出すれば、会員全員が英文学会執行部を選出するための1票をもつことになる。そうなれば評議員の存在理由も明確になる。と、まあ、これは実に優れた案ではあります。
一方、現体制の執行部は、大学代表(大学院に博士課程をもつ「英文科」の代表)による選挙によって決まっています。大学代表会議が、全国大会の開催などに果たしてきた役割などを考慮すれば新体制になったからといって消滅していいかどうか。また現体制では全員に投票権はありません。現在、多くの大学から「英文科」が消え、大学代表だけに頼る英文学会運営はむつかしくなるため、大学代表会議に変わる支部代表の評議員制としたのは優れた案なのです――会員全員が支部に加入すればの話しですが。
私は現在、関東支部の不熱心な会員ですが、来年度は関東支部を辞めて1)関西支部に入会する(関西支部からは、来るなといわれそうですが)、2)関西支部のほかに、もうひとつくらい支部に入る、3)支部体制が気にいらないからどこの支部にも入らない(投票権は失う)、と、この三つの選択肢を考えています。まさかと思われるかもしれませんが、この三つの選択肢どれも現在の規定では可能なのです。
前理事会で決定したこと――現在、英文学会会員で、英文学会費を払えば、余分に支部会費を払わなくてもよい――は、全会員に強制的に支部会費を要求することに問題があり、やむをえない処置かもしれません。また英文学会事務局では、会員が所属すべき支部を指定していません。在住地域と勤務地域が異なるケースなどもあり、通常は、所属する支部は会員本人の希望に沿うこととしています。しかも複数の支部に入会可能なので、会員が本来入るべき支部など存在しません。支部は任意団体としての性格を残しつつ基盤組織になっているのです。なんたる脱構築状態!
たとえば関東支部が管轄する地域にどれだけの暫定的潜在的支部会員がいるのか正確な数はわからないので組織率はわかりませんが、地域の全員が支部会員になっていないのは確かです。しかし未加入の会員のうち、私のように関東支部を嫌っている偏屈者は、ごく少数で、その多くは、たとえばアメリカ文学専門家のように、アメリカ文学会において熱心な支部活動に参加しているので、英文学会の支部活動に魅力を感じていない方々にちがいありません。
これは支部の性格とか活動の質に関係のない構造的な理由からです。したがって関東支部は、もう十分な会員を組織したし、今後、新会員を除くと、これ以上、現会員を取り込めないともいえます。
私のような特定の支部を嫌う偏屈者、また英文学会の活動に関心もあり学会活動に貢献していても、構造的な理由で支部に入るメリットを見出せない人たちは、支部に入らないと投票権がなくなる一方で、複数の支部に入れば複数投票権が発生します――面白すぎる矛盾。支部体制で作られる英文学会では、非支部会員の会員が、高齢者となって脱会するまで、健全化と民主化はお預けということです。私のように、金蔓として利用されつつ、消えてしまうのを待たれる偏屈な高齢者非支部会員の立場からみれば、私たちが消えてなくなるまで、全会員を組織できないままの支部を中心にして運営される英文学会は、余分に金を払った者だけが投票権を得て学会運営に携わる寡占体制にみえます。こんな体制を文科省が認めるとは思えません。移行期間終了の5 年後にこれが解消しているとも思えません。
一方すでに熱心な支部活動をつづけている支部会員にとってみれば、何も悪いことをしてないのに、魅力的で洗練された支部活動に専念すればするほど、全国大会の運営に骨身を削って携われば携わるほど、支部に入っていない会員からの深くて激しい憎悪を向けられてしまうという、やりきれない状況にあります。また伝統ある支部は、特色ある活動をしてきましたが、任意団体から基盤組織への変更にともない、活動を他の支部や英文学会の活動にあわせて調整・画一化することを余儀なくされているはずで、多くの犠牲を払っていることは否めません。支部からの不満は決して軽んじてはいけないものです。
新しい関東支部の会員は、圧倒的にイギリス文学関係者で占められています。イギリス文学、アメリカ文学、英語学、英語教育その他、English を研究する者の学術団体である日本英文学会が、イギリス文学の研究者だけの団体をめざし、他の分野の専門家を排除しようとしているのかと妄想をたくましくしてしまいそうです。前理事会で決定した計画が、結果的に、日本英文学会を割ってしまい、内部分裂の引き金になることを、私は危惧しています。
こんな話は、対応策が決まってから書けと、お叱りの言葉を会員の皆様からはいただきそうですが、大学代表会議も少なくとも2年間は残し、旧体制と新体制とのよいところを生かしながら、新体制のあり方を検討する準備はできています。基本的には支部体制を構築する方向にすすみますが、しかし、実際にかなりすすんでいる支部体制構築作業を、白紙化するのは現実的でないことは承知のうえで、白紙化も辞さずの覚悟で、検討をつづける所存です。会員の皆様からのご意見もいただければと、これは切に望んでおります。
( タイトルの「2」は、ニューズレターNo.104(2005年7月)の高橋和久前会長による「会長のひとりごと」を受けたものです。)
前回のニューズレター以後、2回の理事会(3月29日、5月23日)、理事・支部代表者合同会議(3月29日)が開催されました。主要な議題は以下のとおりです。詳しくは学会ホームページをご参照ください
◎ 理事会
Obituaryにもある通り、当学会理事の天野政千代氏が去る6月13日に急逝されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。故天野理事の後任については、6月末日現在、理事会にて審議中です。理事会および評議員会にて結論が出た際には、学会ホームページにてお知らせいたします。
◎ 大会準備委員会
2007年10月24日付にて小野功生氏の辞任の申し出を了承(Obituaryにある通り、同氏はその後惜しくも急逝されました)。また、本年度6月7日をもって、越川芳明、井出光、岩田彩志、海老久人の4氏が任期満了により退任。小野氏の欠員分と合わせて、後任に、箭川修(東北学院大学)、大島由起子(福岡大学)、藤井香子(大阪学院大学)、和田尚明(筑波大学)、唐澤一友(横浜市立大学)の5氏が選出されました(任期は各委員とも3年)。委員長は斎藤兆史氏、副委員長は服部典之氏です。
◎ 編集委員会
新年度第1回編集委員会が、5月23日(金)に開かれ、新委員長に柳さよ氏、副委員長に大田信良、外岡尚美の両氏が選ばれました。任期は1年です。
◎ 第80回全国大会の『大会Proceedings』発行
第78回大会から刊行がはじまった『大会Proceedings』を、今回も無事発行することができました。研究発表50件中35件(70%)、シンポジア発表51件中29件(57%)、計101件中64件(65%)の論文をお寄せいただきました。過去最高の掲載数になりました。ご寄稿ありがとうございました。なお、『大会Proceedings』に掲載される論文は、大会発表の長めの要約という性格のものですので、それに大幅に加筆して、別稿として『英文学研究』に投稿したり、新人賞に応募したりすることは認められています。
◎ 第80回全国大会で発表された方へ
ご発表ありがとうございました。研究発 表およびシンポジアのいずれについても、参加者の方々から多くのご好評をいただきました。ハンドアウト等の資料が不足した部屋・部門においては、今からでもほしいという声があるようです。著作権等の問題がない場合には、今年度も学会ホームページにおいて掲載させていただきたく思っております。すでに送っていただいた方のものは、掲載されております。これからでも掲載してくださる発表者の方はぜひ事務局に原稿をお送りください。電子ファイル(宛て)でも、ハードコピーでも結構です。どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
◎ 第81回全国大会の開催日・会場等
時 2009年5月30日(土)、31日(日)
所 東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区駒場)
開催校委員 林文代、鈴木英夫、丹治愛、斎藤兆史、田尻芳樹、小林宜子、諏訪部浩一の各氏
会場校の先生方には大変な仕事をお引き受けいただき、まことにありがとうございます。理事会・大会準備委員会・事務局からも、できるかぎりのバックアップを心がけてまいります。
◎ 第81回全国大会のシンポジアのタイトル等の内定
第81回全国大会で行われるシンポジアのタイトルの企画が下記のように内定しました(敬称略)。第1~6部門は大会第1 日(5月30日)、第7~12部門は第2日(同31日)にそれぞれ開催されます。なお、タイトルは変更される可能性があります。[最新情報は全国大会開催情報のページを御覧下さい。]
第 1部門「コモン・リーダーは復権できるか―文芸批評と作品論」
司会・講師 齋藤 衞(大阪大学名誉教授)
講師 清水徹郎(お茶の水女子大学准教授)
講師 岩田美喜(東北大学准教授)
講師 武田将明(法政大学専任講師)
第 2部門「英詩の本流スペンサー」
司会 福田昇八(熊本大学名誉教授)
講師 大野雅子(帝京大学准教授)
講師 水野眞理(京都大学准教授)
講師 鈴木紀之(金城学院大学教授)
講師 山内正一(福岡大学教授)
第 3部門「イギリス文学とオリエント表象再考」
司会・講師 久野陽一(愛知教育大学准教授)
講師 佐々木和貴(秋田大学教授)
講師 西山 徹(岡山商科大学教授)
講師 吉野由利(一橋大学准教授)
第 4部門「小説の全体性」
司会・講師 赤岩 隆(三重大学教授)
講師 郡 伸哉(中京大学教授)
講師 石塚裕子(神戸大学教授)
講師 北島義信(四日市大学教授)
第 5部門「Foreign Language Influences in the History of English」
司会 大門正幸(中部大学教授)
講師 橋本 功(信州大学教授)
講師 伊藤 盡(杏林大学准教授)
講師 小塚良孝(愛知教育大学専任講師)
講師 Richard Ingham(Birmingham City University)
第 6部門「統語変化―さまざまな文法理論の見地から」
司会・講師 西山國雄(茨城大学准教授)
講師 田中智之(名古屋大学准教授)
講師 柳田優子(筑波大学教授)
第 7部門「人種と性が交差するところ―アメリカとアメリカ文学」
司会・講師 藤平育子(中央大学教授)
講師 高尾直知(中央大学教授)
講師 森慎一郎(京都大学准教授)
講師 上野直子(独協大学教授)
講師 富山太佳夫(青山学院大学教授)
第 8部門「テネシー・ウィリアムズのアメリカ」
司会・講師 貴志雅之(大阪大学教授)
講師 黒田絵美子(中央大学教授)
講師 戸谷陽子(お茶の水女子大学准教授)
講師 古木圭子(京都学園大学准教授)
講師 岡本太助(大阪大学特任助教)
第 9部門「メルヴィルと近代」
司会 牧野有通(明治大学教授)
講師 堀内正規(早稲田大学教授)
講師 斎木郁乃(東京学芸大学准教授)
講師 佐久間みかよ(和洋女子大学教授)
第10部門「トロイから新トロイへ―歴史と想像力の建国幻想」
司会 海老久人(神戸女子大学教授)
講師 小川正廣(名古屋大学教授)
(その他の講師については現在交渉中)
第11部門「項構造研究の最先端」
司会・講師 岩田彩志(大阪市立大学准教授)
講師 小野尚之(東北大学教授)
講師 大矢俊明(筑波大学准教授)
講師 北原賢一(筑波大学大学院)
第12部門「英語・英米文学研究を英語教育にどう活
かすか」
司会 山本史郎(東京大学教授)
講師 中村哲子(日本医科大学准教授)
講師 西村義樹(東京大学准教授)
講師 長畑明利(名古屋大学教授)
◎ 第81回全国大会特別シンポジウムの決定
大会2日目(5月31日)午後に行われる特別シンポジウムが、以下の内容に決定いたしました。
タイトル「このままでいいのか語学文学研究―リベラル・アーツの危機と英文学会」
司会 横山千晶(慶応義塾大学教授)
講師 若島 正(京都大学教授)
講師 川本皓嗣(大手前大学学長・東京大学名誉教授)
講師 野崎 歓(東京大学准教授)
◎ 第81 回全国大会招待発表について
第80回全国大会に引き続き、第81回全国大会においても招待発表を行う予定です。発表者については、目下、審議と交渉を進めているところです。決定した招待発表については、学会ホームページにてお知らせいたします。
◎ 第81回全国大会研究発表の募集
第81回全国大会の研究発表を募集しております。応募の規定および方法については、学会のホームページ(https://www.elsj.org)でご確認のうえ、ふるってご応募ください。また、今回からウェブ上のフォーマットを利用して、ウェブから直接応募することが可能になりましたので、どうぞご利用ください。応募の締め切りは11月1日(必着)です。
◎ 大会開催会場下見
去る8月8日(金)に、事務局スタッフ(松村、薩摩、大石)が東京大学駒場キャンパスにお邪魔して、第81回大会会場の下見をさせていただきました。林文代教授、丹治愛教授、鈴木英夫教授、斎藤兆史准教授の四氏に、使用予定の建物や教室に実際に案内していただきながら、設備等の説明をしていただきました。なお、懇親会もキャンパス内で開催される予定です。ご案内くださった先生方には、この場を借りて御礼申し上げます。
◎ シンポジウムのテーマ・企画
第81回大会(2009年度)については本年5月末日をもって締め切りましたが、第82回大会(2010年度)のシンポジウムのテーマ・企画について具体的なご意見・ご提案を募集中です。ご意見・ご提案を事務局()までお寄せください。ただし、最終決定は大会準備委員会の審議にもとづいて行われます。
◎ 投稿状況
『英文学研究』は、和文号(12月刊行)、英文号(3月刊行)の年各一冊という刊行形態となっており、それに応じてそれぞれ投稿締切りが設定されておりますが、昨年9月1日締切りの英文号には14本の投稿論文が寄せられました。また、本年4月1日締切りの和文号には27本の投稿論文が寄せられました。
◎ 投稿・応募規定の変更
第30回の新人賞から応募を会員に限定させていただきましたが、第31回の新人賞からはさらに、応募規定に「応募前に会費が納入済みであること」の一文を付け加えさせていただきました。
なお、投稿・応募規定の詳細については学会ホームページをご覧ください。
◎ 第31回新人賞応募状況
第31回新人賞論文の応募受付は、去る4月30日をもって締切りとなりました。応募論文総数は、12篇(英文学7篇、米文学4篇、英語学1篇)でした。応募者には心より感謝申しあげます。
このうち1次銓衡を通過した論文は、3篇(英文学2篇、米文学1篇)でした。そして最終銓衡の結果、今年度の新人賞は以下の論文に決定いたしました。受賞論文および全体の選評は『英文学研究』和文号第85巻に掲載されます。
受賞論文
大貫隆史(釧路公立大学准教授)「ゆがめられる記憶、幻視される過去―David Hare, Plentyとブレヒト的あるいは残滓的〈経験〉の問題―」
佳作論文
該当論文なし
◎ 名前の英文表記と謝辞の表記の仕方について
編集委員会では、『英文学研究』の和文・英文号における執筆者名の英文表記がこれまで不統一であったことについて、昨年度見直しを図り、原則として、姓と名の順は執筆者の出身国において慣例とされる順に従い、姓は大文字に、名は最初の1文字のみを大文字とし2文字以降を小文字とするという表記方法(例:野口英世 NOGUCHI Hideyo、樋口一葉 HIGUCHI Ichiyo、福沢諭吉 FUKUZAWA Yukichi)に2007年和文号から従っています。ただし、執筆者本人から特に申し出があった場合は、そのかぎりではありません。
また、謝辞の表記についても、2008年和文号より、脚注の冒頭に無印で入れる形式に統一することになりました。
本学会編集委員・評議員・理事を務められた小林萬冶氏が2月3日に逝去されました。享年76歳。
本学会大会準備委員の小野功生氏が3月13日に逝去されました。享年51歳。
本学会編集委員・大会準備委員・理事を務められた忍足欣四郎氏が3月26日に逝去されました。享年76歳。
本学会評議員・監事を務められた安西徹雄氏が5 月29日に逝去されました。享年75歳。
本学会理事の天野政千代氏が6月13日に逝去されました。享年58歳。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
[収支計算書総括表、一般会計収支計算書を掲載。その他の財務諸表とあわせて、情報公開の財務諸表のページにて公開しています。]
◎ 事務局移転について
長らくお茶の水に居を構えていた学会事務局は、8月7日(木)をもって移転しました。移転先は、Newsletter今号タイトルの下にあるとおりです。
移転のきっかけは賃料の値上げでした。今春、ビル管理会社より9月分より約50%の賃料値上げを予定しているとの通告があり(近隣の平均的な賃借料に合わせる、との趣旨でした)、理事会にて対応を協議していました。かねてNewsletterでもお知らせしていたとおり、理事会では、事務所購入という方針を定めていましたが、法人としての体制が大きな変革期にあることを考慮して、慎重論が高まり、しばらくの間、従来の賃料を上回らない別の事務所への移転を検討することとなりました。移転先については、当学会とゆかりの深い研究社にまず打診してみたところ、研究社英語センタービル(東京・飯田橋)地下に一室空きがあるとの回答がありました。幾度か下見を重ねた結果、そちらに移転することとなりました。ちなみに、ブリティッシュカウンシルと同じ建物となります。
移転作業に伴い、事務手続きにも支障が生じ、会員の皆様には何かとご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご理解を賜りたくお願い申し上げます。
◎ 会費納入と刊行物発送について
2年間にわたって会費を滞納したとき、会員資格を失うという規定が定められたことに伴い、これまで事務局では前年度分の会費が未納の方々にも、引き続き刊行物をお送りいたしております。このNewsletterを御覧いただいている皆様のうち、2年度分の会費振込用紙が同封されていた方々が、その該当者です。その方々が今年度中に2年度分の会費を支払わなかった場合には、2009年3月末をもって退会扱いとなり、未納分は債務となりますので、ご注意ください。
御自身の会費の納入状況が不確かな場合には、ぜひ一度、事務局まで、電話・ファックス・メールなどにてご確認くださいますようお願いいたします(重複して会費が支払われると、払い戻しなどに余分な手数料がかかってしまいます)。
なお、会費納入忘れを避けるためにも、「郵便局自動払込みによる会費引き落とし」のご利用を、事務局では強くお勧めいたしております。ゆうちょ銀行に口座を開設する必要がありますが、学会年会費納入のためだけでも、開設していただく価値はあるかと考えております。手続きは事務局からお送りする書類に記入して、ご返送いただくだけで済みます。領収書も、ご請求があれば、学会より発行いたします。自動払込みを停止する場合も、電話やメール一本で済みます。この機会に、ぜひともご検討ください。
◎ 学会ウェブサイトの運営について
学会ウェブサイトの管理は、4月より山田尚人氏から松村伸一に引き継ぎました(ただし、必ずしも事務局長引き継ぎと連動した変更ではありません)。素人故の至らなさはお詫び申し上げます。ご意見・ご要望等がございましたら、ご遠慮なくお寄せください。
また、諸学会・研究会・講演会等の案内や教員公募の情報など、ウェブサイトへの掲載を希望される情報がございましたら、お気軽にまでご連絡ください。情報をお待ちいたしております。
◎ 支部統合号(仮称)の刊行について
年末には『英文学研究』支部統合号(仮称)の刊行が予定されています。今回は、関東・中部・中国四国・九州の4支部が参加します。すでに各支部では論文審査も済んでおられますが、刊行物の体裁などについては、今後、本部事務局が各支部と連絡を取り合いながら、委細を決定していく予定です。
なお、支部統合号は、上記4支部の支部会員のみに配送する予定です。11月中頃までに各支部にご入会いただければ、発送に間に合いますので、当該地区に在住・ご勤務の会員で、支部未入会の皆様には、支部入会をご検討いただきたくお願いいたします。
上記4 支部以外の会員で、今年度の支部統合号の購読を希望される場合には、本部事務局にお申し込みいただき、購入可能にする予定です。代金や支払い方法など、支部統合号購入に関するご案内は、後日、学会ホームページやNewsletter次号にてお知らせいたします。
◎ 今年の大会について
5月24日(土)・25日(日)広島大学東広島キャンパスにて開催された第80回全国大会は、盛会のうちに終了いたしました。研究発表・シンポジア関係者、特別講演関係者の皆様、書籍展示に参加された協賛会員の皆様、大会運営を陰で支えてくださった広島大学の教職員・学生の皆様、そして会場まで足をお運びくださったすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。
初日夕刻の懇親会には200名を超えるご参加をいただき、ありがとうございました。当日ご参加の申し出をいただいた方々には、料金・バス便などの面でご不便をおかけいたしました。やむを得ぬこととは言え、お詫び申し上げます。
実は今年度、これまでの懇親会への不満に対処するため、当日申込の受け入れ数を制限することを検討しておりました。結果的には、事前に周知徹底していなかったことを考慮して、すべてのご来場者を受け入れることとなりました。ただし、会場の広さなどによっては、今後、懇親会へのご参加は、原則として事前予約者のみに限らせていただく可能性もあります。ぜひ次回『大会資料』の該当欄をご参照くださいますよう、あらかじめお願いいたします。
◎ 次回のNewsletter について
次回のNewsletterは、2009年3月中旬刊行予定の『大会資料』巻末に掲載されます。なお、それまでの間に公開すべき情報は、随時学会ホームページにて告知します。
◎ その他
昨年度より事務局の体制も大きく様変わりし、局員の人数は4名、任期は14ヶ月(全国大会後の5月末まで)となっています(従来は3名が2年間務めていました)。今年度は初めての交代があり、4・5月には学会史上初の「事務局員8人体制」が実現しました(実際には編集担当書記が留任したため、7人体制でしたが)。その間は、前任者が正、後任者が副として、職務を分担しました(ただし、今年度は事務局長補佐のみ、前任者が副、後任者が正)。
私事めいた話になりますが、以前、富士川義之会長・大橋洋一事務局長の時代に、事務局長補佐を2年間務めさせていただいたことがあります。実は、会長の任期は3年あったのですが、事務局長が慣例通り2年で退任されるご意向でしたので、局長補佐として「二君に仕えず」と見得を切り、自分も退任させていただきました。一君に二度お仕えする可能性に思い至らなかったのは、不明の至りです。今回事務局に入るよう打診を受けた際には、あのときのツケが回ってきたものと観念し、身の不才を顧みず引き受けさせていただきました。
幸い、前事務局の面々からは、引き継ぎ後も綿密なサポートをいただいております。今後は、薩摩(補佐)・大石(大会)・秦(編集)3氏という強力な布陣(密かにSOSと名付けています)に支えていただきながら、何とか大過なく任期を勤め上げたいものだと考えています。なお、今回の事務局移転にあたって、3名の女性事務職員には大いに助けていただきました。特筆してその功績を記したいと思います。
正直なところ、前回事務局を抜けて以来、学会運営にはほぼ無関心でしたが、この10年間でずいぶん大きな変化があったのだと、ようやくここ数ヶ月間で認識できてきました。考えてみれば、大学を取り巻く環境、あるいは社会そのものが、その間に大きく変わっているのですから、学会活動にも変化の飛沫が及ぶのは、当然の話です。
ただ、実際に、どういう問題があり、解決策がどのように模索されてきたのか、一般会員には(数ヶ月前までの自分と同様)なかなか伝わっていないのではないか、と危惧いたします。そうしたことを本当に知りたいという皆様には、Newsletterを過去にさかのぼって、再度熟読なさることをお勧めいたします。それでもよくわからない、という点がございましたら、学会ウェブサイトの「ご連絡とお問い合せ」ページなどから、お気軽にお問い合せください。すぐにお答えできるかどうかはわかりませんが、すべて事務局にて目を通し、必要に応じて、会長や理事会にもお伝えいたします。また、実現できるかどうかは怪しいのですが、ウェブサイトに「英文学会Q&A」コーナーを設けよう、という企てもあります。
今号の「会長のひとりごと2」は物議を醸しそうですが、学会運営の内実を皆様にお伝えする試みの一環として、受け止めていただいてよろしいかと考えます。また、つまるところ、会長自ら「当面、学会としての体制は現状を維持しつつ、予定通り粛々と移行作業を進めていく」という意思を改めて表明した文章とお読みいただければ、Newsletter編集担当者として、多少心が休まります。その末尾にもあるとおり、会員の皆様からのご意見を切にお待ち申し上げております。(事務局長・松村伸一)
日本英文学会事務局
松村伸一・薩摩竜郎・大石和欣・秦邦生