編集・発行所 〒101-0062東京都千代田区神田駿河台2-9 研究社ビル501 (Email: 電話: 03-3293-7528 FAX: 03-3293-7539) 日本英文学会 代表者 高橋和久
理事会から(会長代行 加藤光也)
5月20、21日の第78会全国大会は無事、盛会のうちに終えることができました。会場を提供していただいた中京大学の小川学長、また大会運営にご尽力いただいた細川先生をはじめとする中京大学の先生方には、この場を借りて、改めてお礼申し上げたいと思います。
大会の企画の中では、とくに最後におこなわれた特別シンポジアム「このままでいいのか大学英語教育」の質疑応答での、英語教育の現場からの切実な訴えは、いま英文学の教育研究が置かれている厳しい状況をよく反映するものとして印象に残りました。
そのような状況に対応するため、理事会としても昨年度から積極的な改革に努めてきたことは、開会の挨拶でも簡単にご報告したとおりですが、ここでは大会の前日におこなわれた大学支部代表会議ならびに評議員会、および理事会での検討内容も含め、改革の状況について、要点を報告させていただくことにいたします。
今回の改革には、大きく整理するならば、財団法人であるため監督官庁である文部科学省の指導に対応しなければならないという外的な要因と、大学を取り巻く状況の変化(英文学科の減少と変質)に、従来の組織が対応できなくなっているという内的な要因があります。
それぞれの要因による課題を大まかに整理すれば、以下のようになります。
○文部科学省から指摘された課題
(1) 法人としての本来の事業費よりも管理費が上回っているという財政上の問題
(2) 全国の支部組織の不備と、役員選出方法の不明確さ
○従来の学会組織が抱えている課題
(3) 学会員であることのメリットの感じにくさ。歯止めのかからない会員数の減少と、将来的な財政難の可能性
(4) 英文学科、英文学専攻の変質に充分対応できない従来の組織
文科省から指摘された課題のうち、財政問題については、丹治事務局長の奮闘と、局員、職員の協力のもと、局員と職員給与の見直しや、編集委員会、大会準備委員会の経費節減などによって、2005年度の収支決算報告のとおり、大きく改善されましたが、会員の減少傾向は続いており、財政基盤が盤石になったというわけではありません。
全国組織の不備については、5月19日の理事会で関東支部、関西支部の設立が承認され、これで全国すべての地域にわたる七支部体制がととのうことになりました。少し先走ることになるかもしれませんが、全国の支部組織がととのったということは、今後、支部を学会運営の基盤とする体制がととのったということであり、将来は、支部会員となった者が同時に全国組織(日本英文学会)の会員になるという体制の準備がととのったということでもあります。
全国の支部組織の整備は、監督官庁の指導に従うものではありますが、関東支部と関西支部の設立趣意書に書かれているとおり、地域の研究者の研究交流の場への必要と要望によるものでもあります。学会本部と支部との関係からいえば、本部会費と支部会費の将来の一括徴収など、支部が一定の制約を受けることは否めませんが、支部を学会運営の基盤にするという観点からも、理事会としては可能な限り、各支部独自の活発な活動を支援できるよう考えなければならないと思っています。
つぎに、これまでの学会組織が抱えている課題についていえば、まず、学会本部と会員の接点が全国大会と学会誌の発行に限られており、会員であることのメリットを感じにくかった点が挙げられます。そこで理事会としては、会員数の減少に歯止めをかけ、会員であることのメリットを感じてもらうためと、学会本部と支部との連携を密にしてゆくためにも、以下のような企画を検討してきました。
一つは全国大会の『大会 Proceedings』発行であり(東北支部・東北英文学会の Proceedings がよい手本になりました)、一つは支部会誌統合号の創刊です。『大会 Proceedings』によって、大会発表での研究成果を広く会員全員に知ってもらうことができるようになりますが、9月には第1号の『大会 Proceedings』が会員のみなさんのお手元に届くはずです。改革の一歩を実感していただければ幸いと思います。
支部会誌統合号というのは、各支部がそれぞれに発行してきた会誌を、論文銓衡を含む会誌の編集権については支部の独自性をあくまで維持しつつ、発行日を調整して頂いて、合本形式で会員に届けようというものです。印刷費については原稿の量に応じて各支部に負担していただく代わり、編集の実務と発送の費用については学会本部の負担とします。統合することで、各支部の会誌発行・発送費用の軽減となるばかりでなく、執筆者は全国の会員に直接、研究成果を問うことができるようになりますし、全国の会員も各支部の研究状況を知ることができるようになります。
ただし、このような企画を実現するためには、学会の財政基盤を安定したものにしておく必要があります。従って、支部会誌統合号には、本部会費と支部会費の一括徴収に対応できる支部から参加していただくことにさせていただきたいと考えております。もちろん会費の一括徴収については、とくに既存の支部の場合、さまざまな経緯からすぐには対応しにくいところもあるかと思います。しかしこの一括方式に同意したとしても、実際に学会本部と支部の両方に所属して会費の一括支払いを強制的に求められるのは、新しく入会する方のみです。すでに本部学会のみに所属している方、支部のみに所属している方は、そのままの形態での学会活動も可能です(理事会として両方に所属していただけることを期待はしますが)。支部会誌統合号はいくつかの支部に参加していただかなければ実現できませんので、今後、各支部では、この方針について前向きの検討をお願いしたいと思います。
さらに、今後の全国大会では、支部企画や、多くの英文学研究者が従事する英語教育についての企画を、積極的に取り上げることを考えています。
学会が抱えている法人としての組織上の課題について触れるなら、現在の大学支部代表会議は、寄附行為(学会規約)に定められた評議員会との関係が不分明なままになっており、監督官庁から改善に向けて強い指導を受けることが不可避の状況であります。同時に、大学組織の変化に伴って、従来の大学支部代表会議は、必ずしも充分には機能しなくなってきているという問題がありますし、理事会としても、全国の支部組織がととのい、今後、学会運営の基盤が支部組織になってゆくのに伴い、学会役員の選出方法を含めて、組織の改革を早急に図らねばならないと考えています。
最後にもう一つ、英文学会が法人格であることの是非という大問題があります。これまで書いてきましたように、現在の日本英文学会は財団法人という法人格であるため(今後は公益法人として総務省の監督下に入ると思われますが)、文科省からの厳しい監督指導のもとにあり、会計処理や特別基金の扱いなど、多くの制約を受けています。これまでの歴史というものもあるとは思いますが、はたしてこのまま法人であることを続けてゆくべきかどうかについても、真剣に考えるべき時期にきていると思います。
以上のように、英文学会には依然としてさまざまな課題がありますが、支部と学会本部との連携や、支部を基盤とする将来の学会の組織改革については、9月9日に予定している理事会、および理事会と各支部長との意見交換の場において、率直な検討を進める予定です。また、9月11日には文部科学省による英文学会事務局への実地調査があり、前回に続いて厳しい結果が予想されますが、これについては、次回のニューズレターで、改めてご報告させていただきます。
理事一同、将来の英文学会の発展のため、できるだけの努力を続ける所存ですので、会員のみなさまのいっそうのご支援とご協力を、どうぞよろしくお願い申し上げます。
理事会議事録から
前回のニューズレター以後、2回の理事会(3月31日、5月19日)が開催されました。主要な議題は以下のとおりです。
1. 2006年度事業計画を承認。(学会ホームページ参照)
2. 2006度予算書を承認。(学会ホームページ参照)
3. 2005年度事業報告を承認。(学会ホームページ参照)
4. 2005年度収支計算書を承認。(「2005年度会計報告」参照。詳細は学会ホームページ参照)
5. 2007年度第79回大会(5月19日、20日)を慶應義塾大学で開催する件を承認。
6. 日本英文学会関東支部および関西支部を設立する件を承認。
7. 2006年度より『大会Proceedings』を刊行する件を承認。
8. 一括方式の支部が複数になったところで『支部会誌統合号』を刊行することを承認。
関東支部会員の会費と名簿に関する一括方式
日本英文学会理事会と関東支部理事会との協議の結果、学会の将来的な財政的基盤強化(本部にとっても支部にとっても)のため、また支部の事務量削減のために、新設された関東支部については、学会本部とのあいだで会費の一括徴収、名簿の一括管理という新しい方式を導入することになりました。
その結果、関東支部が会員募集を開始する2006年9月1日以降、関東地域(関東7県および新潟県)の研究機関等に所属する方(ないしは所属する研究機関を持たない場合はこの地域に在住する方)が英文学会に新規に入会しようとする場合、本部と支部の両方に同時に入会していただくことになります。すなわち、関東支部がカバーする地域に勤務先(ないしは勤務先のない場合は住所)をもっている新規の入会者については、英文学会本部だけに入会することも、関東支部だけに入会することもできなくなります。なお、関東支部の会費は一般会員3000円、学生会員2000円ですので、本部の会費と合計すれば、一般会員10000円、学生会員7000円となります。
なお、関東支部がカバーする地域に勤務先をもっていない(ないしは住所をもっていない)方でも、それぞれ該当する地域の支部に所属したうえでならば、関東支部に所属することができます。その場合の関東支部の会費は上にあげた金額と同じです。
さらに付け加えれば、現在、関東地域に勤務先をもっていたり、住所をもっておられる方のなかで、すでに日本英文学会会員となっておられる方については、関東支部に強制的に入会していただくことはありません。今後も本部だけの所属という形態が認められております。
日本英文学会理事会としては、今後は、関東支部によって導入された一括方式が学会本部と支部との原則的な関係となっていき、関東支部以外の支部にも拡大していくことを願っています。これまで支部が存在していた地域においては、支部だけに所属していた方、本部だけに所属していた方が多数おられますが、そのような方については今後も同様のかたちでの学会所属を認めたうえで、新しい会員についてだけは会費一括徴収、名簿一括管理という一括方式の導入をお願いしていきたいと考えております。
英文学会とは本部と支部との両輪で運営されるべきもので、英文学会に所属するということは、本部と支部の両方に所属することを意味するということが、強制的ではなく共感を得ながら実現していくよう、今後、本部と支部が協力しあってそれぞれ会員のためになる企画を展開していければと考えております。
そのような企画のひとつとして、本部理事会では『英文学研究』支部会誌統合号の刊行を決定しました。これは従来、支部ごとに別々に刊行されていた支部紀要をひとつに統合して、日本英文学会の『英文学研究』の1冊として刊行するものです。従来どおり、掲載論文の募集と銓衡は各支部の編集委員会に担当していただき、その後の印刷から発送までの業務を学会本部が担当するということになります(印刷費は1冊にまとめることで削減されますし、一部本部の経費を投入することもありえますが、そのうえでページ数に応じて各支部に分担していただきます。発送費は本部と支部の両方に所属している方については全額本部の負担とします)。掲載される論文は支部の枠をこえて全国の学会員の目に触れることになりますので、このことは投稿者の励みになるのではないかと期待しております。
支部会誌統合号は会費の一括徴収と名簿の一括管理によってはじめて実現可能となる企画ですが、本部理事会では、新しい会員にたいしてこの方式の導入を決定する支部が複数になったところで支部会誌統合号を刊行することにしました。これが実現すれば、『英文学研究』は毎年、和文号(12月刊行)、英文号(3月刊行)、支部会誌統合号の3冊を刊行することになります。これに『大会Proceedings』(9月刊行)を加えれば、本部と支部の両方に所属する会員には年に4冊の論文集が送られることになります。
学生会員のみなさまへ
日本英文学会理事会では、学生会員のあり方についてこれまで協議を重ねてまいりましたが、来年度(平成19年度)から学生会員については、以下のふたつのことをお願いすることに決まりました。
(1)毎年度4月末日までに学生証の写しを送付すること
(2)郵便局自動払込みの申込みをすること
これはそれぞれ、学生の身分の把握を厳密にすること、ならびに会費を低く設定している分、少しではありますが経費削減にご協力いただくこと、のふたつが目的となっております。ご協力のほどよろしくお願い申しあげます。
(1)の学生証の写しについては、その年度に有効な学生証を4月末日までに事務局宛に郵送するか、あるいはPDFファイルにして電子メール()にてお送りください。
(2)の郵便局自動払込みの申込みについては、来年の3月、申し込み用紙をお送りいたしますので、必要事項をご記入(少しだけです)、ご捺印のうえ、同封の封筒によりご返送いただければ幸いです。
このふたつの条件を満たしていただけない場合は、たとえ身分は学生であっても学生会員とは見なされず、一般会員としての会費を納入していただくことになってしまいますので、締切までにかならず所定の手続きをおとりくださいますよう、重ねてよろしくお願い申しあげます。
役員の交代
4月から大阪外国語大学の大学代表が加藤正治氏から畑田美緒氏へ、神戸女学院大学の大学代表が山田由美子氏から立石浩一氏へ、広島女学院大学の大学代表が前川裕治氏から森あおい氏へ、中国四国支部の支部代表が加藤好文氏(愛媛大学)から福永信哲氏(岡山大学)へ代わりました。前任者の方はお疲れさまでした。新任者の方はよろしくお願い申しあげます。
委員の交代
◎ 編集委員会
新年度第1回編集委員会が、5月19日(金)に開かれ、新委員長に廣瀬幸生氏、副委員長に廣野由美子、西谷拓哉の両氏が選ばれました。任期は1年です。
◎ 大会準備委員会
6月24日をもって、鈴木美津子、竹村はるみ、田尻芳樹、阿部公彦、園田勝英の5氏が任期満了により退任。その後任にそれぞれ原田範行(杏林大学)、石幡直樹(東北大)、武藤浩史(慶応大)、舌津智之(立教大学)、保坂道雄(日本大学)の各氏が、さらに新設された英語教育学分野の新任委員に斎藤兆史氏(東京大学)が選出されました(任期は各委員とも3年)。また、委員長は原英一氏、副委員長は越川芳明氏です。
大会準備委員会からのお知らせ
◎ 第78回全国大会の『大会Proceedings』発行
日本英文学会の新企画『大会Proceedings』はいよいよ発行の運びとなりました。研究発表44件中34件(77%)、Symposia発表45件中22件(49%)、全体として89件中56件(63%)の論文が寄せられました。ご協力ありがとうございました。なお、『大会Proceedings』に掲載される論文は、大会発表の長めの要約という性格のものですので、それに大幅に加筆して、別稿として『英文学研究』に投稿したり、新人賞に応募することは認められております。
◎ 第78回全国大会で発表された方へ
お疲れさまでした。お陰様で、(とくにシンポジウムを中心に)プリントがほしかった、今からでもほしいという声があるようです。もしもコピーライトの面で問題がない場合には、今年度の大会の発表用プリントをホームページに掲載したいと考えております。今年の大会で発表された方で、発表用のプリントをホームページに掲載しても構わないという方は、ぜひ事務局に原稿をお送り下さい。電子ファイル()でもハードコピーでも結構です。ご協力のほどよろしくお願い申しあげます。
◎ 第79回全国大会の開催日・開催校等
時 2007年5月19日(土)、20日(日)
所 慶応義塾大学三田キャンパス(東京都港区三田)
開催校委員 巽孝之、松田隆美、河内恵子、高橋勇、大串尚代(以上、三田所属)、辺見葉子、坂本光、中村優治(以上、日吉所属)の各氏
慶応義塾大学の先生方には大変なお仕事を引き受けていただき、まことにありがとうございます。理事会としても大会準備委員会としても事務局としても、できるかぎりのバックアップを心がけたいと思いますので、1年間なにとぞよろしくお願い申しあげます。
◎ 第79回全国大会のシンポジアのタイトル等の内定
第79回全国大会で行われるシンポジアムの企画が下記のように内定しました(敬称略。タイトルは変更される可能性があります)。第1~6部門は大会第1日(5月19日)、第7~12部門は第2日(同20日)にそれぞれ開催されます。
第1部門「エリザベス朝喜劇と階層制度」
司会・講師 中野春夫(学習院大学教授)
講師 小澤博(関西学院大学教授)
講師 安達まみ(聖心女子大学教授)
講師 篠崎実(千葉大学助教授)
第2部門「農耕詩の諸変奏」
司会 植月惠一郎(日本大学教授)
講師 海老澤豊(新潟産業大学助教授)
講師 圓月勝博(同志社大学教授)
講師 高橋宏幸(京都大学教授)
講師 大石和欣(放送大学助教授)
第3部門「<旅立ち>と<到着>の謎(エニグマ)」
司会・講師 服部典之(大阪大学准教授)
講師 冨樫剛(都留文科大学助教授)
講師 大河内昌(山形大学准教授)
講師 栂正行(中京大学教授)
第4部門「国際政治の中の二○世紀イギリス」
司会・講師 大田信良(東京学芸大学助教授)
講師 細谷雄一(慶応義塾大学助教授)
講師 橋本順光(横浜国立大学助教授)
ディスカッサント 山田雄三(大阪大学助教授)
第5部門「中世英語英文学を問う」
司会 吉野利弘(立教大学名誉教授)
講師 菊池清明(立教大学教授)
講師 武内信一(青山学院大学教授)
講師 渡辺秀樹(大阪大学助教授)
第6部門「統語研究の方向性:極小主義のミクロとマクロの側面」
司会・講師 渡辺明(東京大学助教授)
講師 高橋大厚(東北大学助教授)
講師 平岩健(東京大学大学院 日本学術振興会特別研究員)
第7部門「アメリカ文化と反復強迫 アメリカ文学の中に書き込まれた(原)光景」
司会 都甲幸治(早稲田大学専任講師)
講師 大和田俊之(慶応義塾大学専任講師)
(他2名の講師を予定)
第8部門「演劇は越境できない?」
司会・講師 日比野啓(成蹊大学助教授)
講師 河合祥一郎(東京大学助教授)
講師 平田オリザ(大阪大学教授)
第9部門「<産む性>から降りた女たち <魔女>の系譜、シェイクスピアからSF/ファンタジーまで」
司会 本橋哲也(東京経済大学教授)
(講師は現在交渉中)
第10部門「中世ヨーロッパ文学の創成と継承 VIRGIL、DANTEそしてCHAUCER」
司会 松下知紀(専修大学教授)
講師 小川正廣(名古屋大学教授)
講師 浦一章(東京大学助教授)
講師 小林宜子(東京大学助教授)
第11部門「Issues in the Typology of Resultatives: Ten Years After」
司会・講師 鷲尾龍一(筑波大学教授)
講師 三原健一(大阪外国語大学教授)
講師 宮腰幸一(筑波大学専任講師)
講師 鈴木亨(山形大学助教授)
第12部門「自前の大学英語教材の作り方・使い方」
司会 上岡伸雄(学習院大学教授)
講師 矢口祐人(東京大学助教授)
講師 奥聡一郎(関東学院大学助教授)
講師 坂野由紀子(成蹊大学助教授)
◎ 第79回全国大会特別講演講師の決定
大会2日目(5月20日)午後に行なわれる特別講演講師が、慶應義塾大学教授高宮利行氏に決定しました。
◎ 大会開催校下見
去る7月22日(土)に、事務局スタッフ(丹治、由井)が慶応義塾大学三田キャンパスにお邪魔して、第79回大会会場の下見をさせていただきました。高宮利行教授、大串尚代助教授、高橋勇助手の三氏に、使用予定の建物や教室に実際に案内していただきながら、設備等の説明をしていただきました。順調に準備が進んでいるという印象をうけました。また、懇親会もキャンパス内で開催できることになりました。慶応義塾大学の先生方、大会までの準備等、どうぞよろしくお願い申し上げます。
◎ シンポジアムのテーマ・企画
第79回大会(2007年度)については本年5月末日をもって締切りましたが、第80回大会(2008年度)のシンポジアムのテーマ・企画について具体的なご意見・ご提案を募集中です。ご意見・ご提案を事務局()までお寄せください。ただし、最終決定は大会準備委員会にお任せください。
編集委員会からのお知らせ
◎ 投稿状況
『英文学研究』は、和文号(12月刊行)、英文号(3月刊行)の年各一冊という刊行形態となっており、それに応じてそれぞれ投稿締切が設定されておりますが、昨年9月1日締切の英文号には23本の投稿論文が寄せられました。また、本年4月1日締切の和文号には24本の投稿論文が寄せられました。
◎ 投稿・応募規定の変更
従来、『英文学研究』投稿・新人賞応募の際には略歴をカバーレターに記すよう決められていましたが、大会発表応募の際と同様、所属のみ記していただくよう、規定が変更されました(所属については査読委員の選定の際利用させていただくので、記入をお願いいたします)。略歴については記入不要となりましたので、ご注意ください。
また、新人賞については、これまで会員外からの応募も認めてまいりましたが、できるかぎり多くの将来性ある若手研究者に入会をお願いしたいという趣旨で、第30回以降の新人賞については応募を会員に限定させていただきますので、入会のうえ応募してくださいますようお願い申しあげます。
なお、投稿・応募規定の詳細については学会ホームページをご覧ください。
◎ 第29回新人賞応募状況
第29回新人賞論文の応募受付は、去る4月30日をもって締切となりました。応募論文 総数は、16篇(英文学8篇、米文学5篇、英語学3篇)です。応募者には心より感謝申しあげます。
このうち1次銓衡を通過した論文は、5篇(英文学3篇、米文学1篇、英語学1篇)でした。そして最終銓衡の結果、今年度は新人賞論文は該当者なし、佳作論文は以下の2点に決定いたしました。佳作論文および全体の選評は『英文学研究』和文号第83巻に掲載されます。
板倉厳一郎氏(中京大学助教授)"A ‘Happy Multicultural Land’ in Periodontal Terms: Zadie Smith’s White Teeth"
源中由記氏(東京芸術大学非常勤講師)"Race and Aesthetics in William Faulkner’s Light in August: From Racial Politics in the Civil War to Formalist Aesthetics in the Cold War"
地方支部からのお知らせ
◎ 北海道支部
○『北海道英語英文学』第51号の発行
6月30日に『北海道英語英文学』第51号が発行されました。
○第51回支部大会の開催
日本英文学会北海道支部第51回大会は来る9月30日、10月1日の両日北海道大学人文社会総合教育研究棟において開催される予定です。
◎ 東北支部
東北支部(東北英文学会)第61会大会は、2006年11月18日(土)、19日(日)、東北大学川内南キャンパスで開催されます。詳細は支部ホームページ(https://charles.sal.tohoku.ac.jp/tohoku-eibun) でご確認ください。
◎ 関東支部
長文にわたるため別立てとします。
◎ 中部支部
○『中部英文学』第25号の発行
中部支部の研究誌『中部英文学』第25号が3月に発行されました。本号には昨年度大会の特別講演、原田範行氏による「代作、合作、贋作に見るイギリス18世紀文学」と英文学1編、米文学1編、英語学1編の論文が掲載されています。他支部の会員でご関心のある方は、ご一報くだされば実費でお分けいたします。
○第58回支部大会の開催
第58回支部大会が10月7日(土)、8日(日)に三重大学(津市)で開催されます。第1日目の午後に特別講演と研究発表(18件)、第2日の午前に英文学、米文学、英語学の3つのシンポジウムが予定されています。
◎ 関西支部
長文にわたるため別立てとします。
◎ 中国四国支部
○第59回大会の開催
日本英文学会中国四国支部では、第59回大会を10月28(土)、29日(日)の両日、安田女子大学(広島)で開催します。詳しくは支部ホームページをご覧ください。
◎ 九州支部
○支部ホームページの開設
日本英文学会九州支部では本年7月にホームページを開設しました。どうぞご利用下さい。URLはhttps://kyushu-elsj.sakura.ne.jp/です。「九州支部大会」「お知らせ」「学会誌」「事務局」「入会手続き」などのページが用意されています。
○第59回大会の開催
九州支部第59回大会が、平成18年10月28日(土)、29日(日)の両日、西南学院大学(福岡市早良区西新6-2-92)において開催されます。本大会の特別講演者には中島平三先生(学習院大学教授)をお迎えします。詳しくは支部ホームページをご覧下さい。
○学会誌『九州英文学研究』第24号のための原稿募集
第24号から、投稿締め切りが従来より2ヶ月遅くなり、11月30日となりますのでご注意下さい。これに伴い学会誌の刊行は投稿締め切りの翌年度の5月になります。この変更の趣旨は、投稿締め切り日を大会発表の後に置くことで論文の質の向上を図るというものです。昨年10月の評議員会(於:長崎大学)にて決定されました。
なお、学会誌の「投稿規定」についてはホームページをご参照ください。
関東支部の設立決定
○会員規定の決定
一、本会の会員は、以下の条件を満たすべきものとする。
(ア) 財団法人日本英文学会の会員であること
(イ) 支部規約の趣旨に賛同すること
(ウ) 以下の地域の研究機関等に所属すること、ないしは所属する研究機関を持たない者の場合は以下の地域に在住すること
茨城県、神奈川県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、栃木県、新潟県(五十音順)
二、一に定める以外に、特別に支部長の認めたものを特別支部会員とする。
三、会員は、支部理事会が定める支部会費を納めること(現在3000円(一般会員)、2000円(学生会員))。なお、学生会員の定義は日本英文学会の規定に準じる。支部会費の納入は、原則として英文学会会費と一括徴収する。会計年度は4月1日より3月31日までとする。
四、会員は、支部の機関誌の頒布を受ける。
五、会員は、支部の機関誌への論文の投稿、支部大会発表への応募の資格を有する。
六、会員は、上記以外に別途定める支部の活動に参加することができる。
七、会員は、退会する場合必ず退会届を提出すること。退会届けを提出しない限り会員とみなし、機関誌等の発送と会費の請求を継続する。
○第1回大会および次回例会の開催
関東支部の第1回大会、ならびに関東支部英語教育・学習研究会発会式は、7月29日(土)に東京大学駒場キャンパスで行われました。次回例会は10月28日(土)を予定しています(場所は未定)。詳細は関東支部HP(https://elsj.org/kanto/)をご参照ください。
○理事および監事の決定
初代理事会は以下の顔ぶれで発足しました。富山太佳夫(青山学院大学・支部長)、安達まみ(聖心女子大学)、阿部公彦(東京大学)、海老根宏(東洋大学)、折島正司(青山学院大学)、加藤光也(首都大学)、楠明子(東京女子大学)、斎藤兆史(東京大学)、丹治愛(東京大学)、中井亜佐子(一橋大学)、原田範行(杏林大学)、森松健介(成蹊大学・非)、山内一芳(青山学院大学)、および監事・出渕敬子(日本女子大学)、富士川義之(駒沢大学)。
○入会登録のご案内
関東支部では9月1日より入会登録を開始しています。入会を希望される方は、日本英文学会HP(https://elsj.org/)上で手続きを行ってください。支部だけの入会は認められておりません。支部会費は年3000円(日本英文学会と合わせて10000円)、学生会員は2000円(日本英文学会と合わせて7000円)です。今年度の日本英文学会会費の納入状況によってお支払いいただく金額が異なりますので、入会を希望された方にはそれぞれ電子メールにて個別にご連絡をいたします。そのため、また、今後の例会・関連研究会等の通知を基本的にメールで行いたいと考えておりますので、メールアドレスはかならずお知らせください。
なお、インターネットをご使用にならない方は、日本英文学会事務局まで、郵便またはFAXにて必要事項(ご氏名、ご住所、連絡先電話番号およびFAX番号、ご所属、ご身分[専任、非常勤、院生、その他])を明記した入会届をお送りください。ただし、事務処理の都合上より時間がかかりますので、その点はご了承ください。
○英語教育・学習研究会の設立(文責、斎藤兆史)
5月の大会の特別シンポジウムで予告したとおり、関東支部内に「英語教育・学習研究会」なる小学会を設立し、去る7月29日(土)の関東支部大会時にその発会式ならびに第1回例会を開催しました。研究会設立のそもそもの目的は、昨今の英語教育・政策をめぐる(憂慮すべき)状況に鑑みて、英文学会会員が本気で英語教育と取り組む場を提供しようというものです。また、本研究会において英語教育・学習を専門的に研究することにより、若手の研究者が英語・英米文学者であると同時に英語教育の専門家であると大手を振って自称できるようになればいいと願っています。当面、関東支部の支部長でもある富山太佳夫氏(顧問)にご指導をいただきながら、北和丈(秀明大助教授)が事務局長、奥聡一郎(関東学院大助教授)が広報委員、斎藤兆史(東京大助教授)が研究会代表として運営に当たります。英文学会における初の英語教育関係の研究会ということもあり、関東支部以外の支部会会員にも積極的に参加していただきたいと思います。参加資格、研究発表の申し込み、その他に関しては、上記の北事務局長にご連絡・お問い合わせください(メールアドレス:kita@stu.shumei-u.ac.jp)。また、日本英文学会ホームページの「地方支部」欄にある本研究会のホームページもご参照ください(https://elsj.org/gakushu)。
関西支部の設立決定
日本英文学会関西支部の設立が、本年度の日本英文学会第78回全国大会の開催時に開かれた日本英文学会「大学・支部代表会」、「評議員会」、「理事会」(2006年5月19日)において承認され、「関西支部」が正式に発足することに決まりました。
関西支部は、英文学、アメリカ文学、英語学、および英語教育に関わるその他関連分野の研究を促進し、あわせて会員相互および内外の学会との交流をはかることを目的とする学会です。
関西支部の輪郭と今後の活動等については、「日本英文学会ニューズレター」の前号(No. 106)に記載している通り、基本的には変更はございません。関西支部のホームページ(https://kansai-elsj.hp.infoseek.co.jp/)も立ち上げましたので、支部についての詳細はこのHPにてご覧になれます。この関西支部HPには、日本英文学会のホームページからもアクセスできます。
I. 関西支部への入会のご案内
入会の受付を開始しました。多数の方々の入会をお待ちしております。支部事務局宛て、郵便あるいはEメールにて、氏名(ふりがな)、所属大学、職名、一般会員/学生会員、専門分野、連絡先住所、電話(ファックス)番号、Eメールアドレスを添えてお申し込み下さい。メールで申し込まれる場合は、整理の都合上、件名欄には「関西支部」とご記入願います。なお、すでに事前に入会申し込みを済まされた方は、その必要はございません。
学会規約は、第1回大会総会にて正式にご承認いただくことになっていますが、この規約(案)は、関西支部役員名簿とともに、関西支部HPにてご覧になれます。ご希望の方には送付しますので、ご連絡下さい。
会費(一般会員5000円、学生会員3000円)の納入の仕方については、現在、郵便振替口座の開設申請中ですので、詳細は9月下旬に発表予定の「第1回大会プログラム」の準備に合わせてご案内いたします。
なお、郵便振替口座の開設された段階で、関西支部HPにてお知らせしますので、ご覧になられた会員の方は会費振込み方、どうかよろしくお願いいたします。
会費納入にはどうかご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
関西支部についてなにかご質問等がございましたら、どうかご遠慮なく支部事務局か関西支部運営委員までお尋ね下さい。
日本英文学会関西支部運営委員会:支部長 玉井暲(大阪大)、副支部長 宮内弘(京都大)、大会準備委員長 小澤博(関西学院大)、学会機関誌『関西英文学研究』編集委員長 御輿哲也(神戸市外大)、事務局長 服部典之(大阪大)
支部事務局:〒560-8532 大阪府豊中市待兼山町1-5 大阪大学文学部英米文学研究室、電話:06-6850-6111(代)、ex. 5114(服部研究室);ex. 2155(玉井研究室)、Eメールアドレス:hattori@let.osaka-u.ac.jp; atamai@let.osaka-u.ac.jp
II. 関西支部第1回大会のご案内
下記の通り開催します。大会は、研究発表、シンポジウム、総会、懇親会等からなっていますが、正式なプログラムは9月下旬に発表します。現在、研究発表を公募中ですので、ふるってご応募下さい。関西支部に入会希望の方ならどなたでもご応募できます。
第1回大会プログラム
会場:大阪大学豊中キャンパス
日時:2006年12月16日(土)、10:00-
プログラム:
1) 研究発表(午前と午後)
2)シンポジウム「文学研究の新しい可能性」
司会・講師:佐々木徹(京都大)
講師:石割隆喜(大阪外大)、圓月勝博(同志社大)、竹村はるみ(姫路獨協大)、新関芳生(関西学院大)(50音順)
3)総会
4)懇親会(阪大豊中キャンパス内レストラン「宙」)
研究発表の応募要項は関西支部HPにてご覧になれます。以下の通り。要項は希望者には送付できますので、事務局までご連絡下さい。
1)発表時間30分、質問時間10分。
2)発表希望者は、下記の書類(3種類)を、それぞれの規定に従い、各3部ずつ、関西支部事務局宛て、郵便にて送付して申し込むこと。
(1)梗概:1200-1600字程度。梗概用紙の冒頭に研究発表タイトル、所属、現職名、氏名を明記すること。
(2)略歴:用紙に、氏名、連絡先住所、電話(ファックス)番号、Eメールアドレス(所有しておれば)を書き添えること。
(3)大会プログラム用の発表要旨:400字程度。(研究発表が認められた者には、後日改めてFDないしはEメールにて再度提出を依頼する。)
3)申し込み締め切り:2006年8月末日(必着)
4)研究発表の決定:大会準備委員会にて選考のうえ発表者を決定する。
5)送付先:大阪大学文学部英米文学研究室 関西支部事務局
6)備考:大会準備委員会メンバー
小澤博(委員長、関西学院大)、荒木映子(大阪市立大)、片渕悦久(大阪大)、加藤正治(大阪外大)、木村茂雄(大阪大)、新関芳生(関西学院大)、吉村あき子(奈良女子大)、米本弘一(神戸大) (50音順)
III. 学会機関誌『関西英文学研究』の発刊
御輿哲也編集委員長(神戸市外大)を中心にして、原稿募集規定等を検討・作成中です。決定しましたらご案内いたします。
最後に、関西支部の発足を記念する第1回大会は、是非とも充実した大会にいたしたいと、私ども関西支部運営委員および支部評議員一同心より願っております。関西支部に入会希望の皆様方の絶大なご支援をお願い申し上げます。(以上文責、玉井暲)
2005年度会計報告(2005年4月1日から2006年3月31日) ◎ 収支計算書総括表 合 計 一般会計 日本英文学会 英文学振興基 特別活動資 基金特別会計 金特別会計 金特別会計 I 収入の部 当期収入合計 26,217,563 26,214,100 0 3,409 54 前期繰越収支差額 15,305,065 2,186,585 1,000,000 11,652,014 466,466 収入合計 41,522,628 28,400,685 1,000,000 11,655,423 466,520 Ⅱ 支出の部 事業費 10,305,111 9,838,591 0 0 466,520 管理費 12,221,984 12,221,984 0 0 0 その他 0 0 0 0 0 支出合計 22,527,095 22,060,575 0 0 466,520 当期収支差額 3,690,468 4,153,525 0 3,409 △466,466 次期繰越収支差額 18,995,533 6,340,110 1,000,000 11,655,423 0 ◎ 一般会計収支計算書 I 収入の部 予算額 決算額 差異 1.会費入会金収入 24,560,000 21,050,700 3,509,300 2.事業収入 300,000 1,329,600 △1,029,600 3.広告料収入 200,000 235,700 △35,700 4.預金利息等収入 30 35 △5 5.前受金収入 2,000,000 2,516,500 △516,500 6.補助金収入 1,200,000 1,000,005 199,995 7.寄付金収入 29,000 △29,000 8.その他収入 50,000 52,560 △2,560 当期収入合計 28,310,030 26,214,100 2,095,930 前期繰越収支差額 900,000 2,186,585 △1,286,585 収入合計 29,210,030 28,400,685 809,345 Ⅱ 支出の部 1.事業費 『英文学研究』刊行経費 4,000,000 3,707,333 292,667 『英文学研究』発送経費 1,200,000 997,926 202,074 全国大会経費 4,300,000 3,355,075 944,925 シェイクスピア祭経費 100,000 92,500 7,500 編集委員会経費 1,400,000 839,802 560,198 ニューズレター刊行発送費 1,600,000 657,225 942,775 郵便振替負担金 250,000 188,730 61,270 事業費計 12,850,000 9,838,591 3,011,409 2.管理費 人件費 7,600,000 6,261,203 1,338,797 理事会・評議員会経費 1,200,000 437,066 762,934 事務局経費 3,200,000 4,404,105 △1,204,105 備品・消耗品費 1,800,000 220,131 1,579,869 一般印刷費 150,000 233,677 △83,677 職員交通費 500,000 451,000 49,000 通信費 400,000 214,802 185,198 管理費計 14,850,000 12,221,984 2,628,016 3.予備費 300,000 0 300,000 支出合計 28,000,000 22,060,575 5,939,425 当期収支差額 310,030 4,153,525 △3,843,495 次期繰越収支差額 1,210,030 6,340,110 △5,130,080 ◎ 特別活動資金特別会計収支計算書 科 目 金 額 I 収入の部 受取利息収入 54 当期収入合計 54 前期繰越収支差額 466,466 収入合計 466,466 Ⅱ 支出の部 新人賞印刷費 94,735 大会講演料他 120,000 地方支部支援金他 250,000 その他雑費 1,785 当期支出合計 466,520 当期収支差額 △ 466,466 次期繰越収支差額 0
2005年度決算報告書説明
(1) 英文学会の会計は一般会計と特別会計の2本立てとなっています。
(2) このうち、特別会計は3つに分かれており、発足時の基金100万のままの日本英文学会基金、その後の内部留保を基金化した英文学振興基金(現在1165万余り。現在は多少の利子が加わるだけで、支出はいっさいなし)、そして新人賞賞金やトラベル・グラントなど特定の活動、および一般会計の赤字穴埋めのために使われてきた特別活動資金です。
(3) 日本英文学会基金と英文学振興基金は基金ですので、学会の日常的な活動のためにこれを取り崩すことはほとんど不可能です。
(4) したがって、学会の日常的な活動のためには、これまで一般会計と特別活動資金特別会計が使われてきました。このうち特別活動資金特別会計のほうは2004年度でほぼ底をついてしまいましたので(繰越金46万円)、2005年度はその繰越金を使いきり、そして2006年度からはこのカテゴリーそのものを廃止して、日常的な活動資金としては一般会計のみに一本化しています。
(5) 2005年度は学会の財務状況の改善が急務でしたので、いくつかの支出削減をこころみました。その結果、2004年度とくらべて一般会計では888万、特別活動資金特別会計では281万、総計で1169万の支出削減となりました。
(6) そのうえで収支決算書を見ると、2005年度の一般会計の収入総額は2621万、そして支出総額は2206万となっています。収支差額は415万の黒字でした。英文学会の会計は、多すぎる内部留保を処理するために長らく大幅な赤字を出してきておりましたが、ふたたび黒字体質にもどったということになります。
(7) ただ、完全に健全財政になったかというとそうは言えません。2005年度に進めた支出削減は、事業費(英文学会の本来的な活動につかわれる支出)の削減のほうが管理費(人件費、事務所経費など、事業費以外の支出)の削減よりも大きかったために、本来公益法人としては事業費のほうが管理費よりも多くなければいけないのですが、事業費983万にたいして管理費1222万となっており、管理費が240万ほど超過になっています。このような状況を放置しておくと、新しい公益法人法のもとでは会費に税金がかかってくる可能性があります。したがって、これについては早急の是正が必要です。2007年度の予算案では、大会懇親会の自主運営、『大会Proceedings』の発行などによる事業費の拡大と人件費と事務局経費圧縮による管理費の削減によって、事業費と管理費の比率は健全化することになっています。それにむけて努力するつもりです。
Obituary
本学会元理事の福田陸太郎氏が2月14日に逝去されました(享年89)。謹んでご冥福をお祈りいたします。
事務局からのお願い・ご報告
◎ 郵便局自動払込みの申し込みをしてくださった方へ
昨年来、何度か郵便局自動払込みのお願いをしてまいりましたが、導入のために必要な100名(昨年度は30名以上で受け付けてくれるという約束でしたが、今年度からはそうではなくなりました)のご協力はついに得られず、ご協力を申し出ていただいた会員の方にはまことに申し訳ないことですが、今年度は導入を見送ることになりました。そのような会員の方には従来どおりの方法で、お支払いをお願い申しあげます。従来、払込み用紙でお支払いいただいていた方には、払込み用紙を同封しますので、それをつかってお支払いいただきますようお願い申しあげます。また、従来、銀行引き落としでお支払いいただいていた方には、今年度も例年どおり10月に引き落としをさせていただきますので、残高のご確認などよろしくお願い申しあげます。
なお、来年度以降、学生会員の方には、経費節減にご協力をいただくという観点から、郵便局自動払込みでの会費納入をお願いすることになりました。単刀直入にいえば、学生会員に関しては会費を低く設定している分、経費の安い郵便局自動払込みの利用を条件とさせていただきます。したがって、来年度はかならずこの制度を導入できることになっておりますので、郵便局自動払込みをご希望いただいた方には別途申し込み用紙をお送りさせていただきます。必要事項をご記入(少しだけです)、ご捺印のうえ、同封の封筒によりご返送いただければ幸いです。
ご協力のほどよろしくお願い申しあげます。
◎ 郵便局自動払込みについて
従来の郵便振替の手数料が今年度から100円に値上げされています。このことによって学会が負担すべき経費は従来の26万円から37万円に跳ね上がることになります。この差は、会費の値上げを回避すべくさまざまな小さな努力を重ねている現在の学会の財務状況のなかでは相当な差と言わざるをえません。会員諸賢には、新たに利用できるようになりました郵便局自動払込みというシステムをご利用なられますよう、重ねてお願い申しあげます。
郵便局自動払込みは一件あたりの手数料が銀行の引き落とし(150円)とくらべて、また従来の郵便振替とくらべても格段に安い(25円)というだけではありません。郵便口座から決まった期日に会費が自動的に払い込まれます(手数料は学会持ち)ので、いちいち会費を支払いに郵便局に行く必要はなくなりますし、あらかじめ領収書の送付請求を登録してくださっていれば、自動的に領収書が発行されます。そのうえ変更も解約も事務局へのメールかファックスだけで簡単にできるようになります。
したがって、とくに (1) いままで銀行の引き落としをご利用になっている方(経費節減の観点から)、(2) 校費払いを利用するために領収書を必要とされる方(事務軽減の観点から)にはぜひともご検討いただければと思います。申し込みをしても構わないという方は、事務局宛(; FAX: 03-3293-7539)に「郵便局自動払込みにしたい」とひとことご連絡いただきますようよろしくお願い申しあげます(葉書でも結構です)。
◎ 会費納入について
このニューズレターとともに、郵便局の振替用紙が同封されている場合、用紙に記載されている年度の会費が未納であることを意味します。これを機に納入して下さいますよう、お願い申しあげます(手数料は不要です)。行き違いとなりました場合はご容赦下さい。なお、三井住友銀行(神田支店、普通預金114558)あるいはみずほ銀行(九段支店、普通預金1231895)の口座に振り込んでいただいても結構ですが、その場合は、振り込みの料金をご負担いただくことになります。また、現在は、会費領収書をお送りするのを省略させていただいております。必要な方は返信用封筒(切手は不要ですが、申し訳ありませんが宛名はお書き下さい)を同封の上、事務局にご請求下さいますよう、お願い申しあげます(大会の前、あるいは大会時に会費をお支払いいただく場合は、大会の受付で領収書をお渡しできます。来年度以降、ぜひご利用下さい)。
◎ 住所(宛先)移転の届け出について
現在、経費節減のために、発送物をお送りする場合は、郵便ではなく転送サービスのない宅配便を利用しております。したがって、住所(宛先)移転があった場合は、かならず事務局にお届けをお願いします。電子メール()でも葉書でも電話でもファックスでも、なんでも結構ですので、よろしくお願い申しあげます。
◎ 退会届について
現在、会員規程では、「会員は、長期にわたって会費を滞納したとき、その資格を失う」となっており、「長期」が何年のことなのかの規定がありませんが、理事会決定として2年間とさせていただいております。つまり、その間は、会費の納入がなくても、すべての刊行物が自動的に送られつづけることになります。そしてそれらのものが送られてしまうと、その年度の会費はお支払いいただかなければならなくなります(公認会計士によるとそれが本来的なあり方だということです)。したがって、もしも本会を退会なさる場合には、かならずその旨を事務局()までご連絡いただきますよう、よろしくお願い申しあげます(退会届の様式は問いません)。
◎ 今年の大会について
中京大学で開かれた本年の大会も、開催校の先生方や学生の皆さんをはじめとする多くの方々のご尽力とご配慮のおかげをもちまして、無事に終了いたしました。教育への関心の高さを反映して、「このままでいいのか英語教育」と題された特別シンポは立ち見が出るほどの大盛況でしたが、それだけでなく全体として参加者が多い大会となったように感じております。
また、経費節約、労力節約が本年の大会の目標のひとつでしたが、いつもよりも50万円も少ない経費で立派な大会を演出してくださった中京大学の諸先生、学生のみなさんには、心より感謝申しあげたいと思います。ほんとうにありがとうございます。
今年の反省点は、昨年度同様、懇親会です。今年から懇親会は業者を介さずすべて自前の運営でした。それはよいことだったと思いますが、しかし相変わらず予約者が少なかったので、少なめの数で予約を入れたところ、予約を90名ほども上回る250名の参加者に恵まれ、結局、お料理などが不足ぎみだったのではないかと恐れています。申し訳ありませんでした。これは予約なしでも出席可能ということがすっかり定着してしまった結果ではないかと想像しています。しかし来年度は少し手狭な場所(180名収容)での懇親会開催となる予定ですので、参加希望者はお早めのご予約をお願い申しあげます。
大会のときの忘れ物(傘など)が届いています。心当たりのおありの方は、事務局宛(; 03-3293-7528)にご連絡ください。
◎ 次回のNewsletterについて
Newsletterの発行は年2回(9月と3月)となっております。したがって、次回のNewsletterは『大会資料』の巻末として3月中旬に発行となります。それまでの間、公開すべき情報は随時学会ホームページで公開しますが、そのうえで3月のNewsletterでまとめて掲載いたします。
日本英文学会事務局
丹治愛・由井哲哉・松本朗